2007年08月07日

病気が起きた臓器にだけ薬を運ぶ

抗がん剤をウイルスの殻にいれ
病んでいる臓器にだけ運ぶ技術の研究が進んでいます。

ウイルスの殻で包装、標的臓器に薬「宅配」 阪大開発

病気が起きた臓器にだけ薬を届けます――。そんな「薬の宅配便」技術を、大阪大の金田安史教授(遺伝子治療学)らが開発した。薬効成分を包むのに、標的細胞を探す「アンテナ」を付けたウイルスの殻を使う。病気の場所にだけ薬を「宅配」できれば、それ以外の正常組織への副作用を防げるうえ、薬の量も減らせると期待される。

使ったのは、東北大グループが1950年代に見つけたセンダイウイルス。ネズミなどに肺炎を引き起こすほか、人の赤血球に害を及ぼすこともある。殻に「触手」のような特殊なたんぱく質があり、ほかの細胞と「融合」する特質をもつ。

 金田さんらは、この殻の特徴を残したままウイルスの毒性をなくし、殻の中に薬を入れて薬の「運び屋」にした。患部の細胞と融合すると、内部の薬が放出される仕組みだ。

 ただ、そのままでは患部だけでなくいろいろな細胞と融合してしまう。そこで、最新の遺伝子工学でウイルスの「触手」を改変、標的とする細胞の遺伝子を一部取り込むなどして、標的細胞とだけ融合し、それ以外の正常な細胞とは融合しないようにした。

 表皮水疱(すいほう)症という、皮膚の異常が起きるマウスを作って、改良した殻の能力を試したところ、何層もある皮膚のうち、狙った層にだけ融合することが確認された。

 狙った臓器や組織に薬を届ける仕組みは、ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)と呼ばれる。従来は高分子物質を使う方式が多かったが、今回の手法はウイルスの殻を使う点が独特で国際特許を出願中だ。

 金田さんらは、このウイルスの殻に遺伝子を入れて患者に注入する遺伝子治療や、抗がん剤を入れるがん治療への応用研究を進めている。
(2007年8月6日 朝日新聞)

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posted by ともみ at 01:45 | 遺伝子治療

2007年07月31日

心臓CTスキャンにより癌リスク増大

心臓CTスキャンにより癌(がん)リスク増大

心障害の有無を判定するCT冠動脈造影(CTCA)検査により、特に女性および若年者の癌リスクが増大するという報告が米医師会誌「JAMA」7月18日号に掲載された。研究を率いた米コロンビア大学(ニューヨーク)のAndrew J. Einstein博士は、医師が患者にとって適切な検査法を選ぶ上でこの知見が役立つはずだと述べている。

米Scott & White病院(テキサス州)のGregory Dehmer博士は、CTによって極めて有用で優れた画像が得られる一方で、患者が多量の放射線に曝露することはすでに知られていたが、この研究はそれを確証するものだと述べている。医師にとって重要なのは、CTによる血管造影が適するケースと適さないケースを十分に認識することだと同氏は指摘している。

冠動脈疾患(CAD)は、心臓に血液を供給する動脈が硬化し狭窄する疾患で、米国では男女ともに死亡原因の第1位となっている。最も標準的な診断法は冠動脈造影によるものだが、この検査では血管内にカテーテルを挿入する必要があり、重篤な合併症を引き起こすことがあるため、侵襲性の低い検査法が求められていた。その一つが2004年に認可されたCTCAである。CTCAは感度および特異度ともに高く、緊急治療室(ER)に搬送される胸痛患者について迅速に疾患の有無を調べることができる。

しかし、この検査による癌リスクはこれまで定量化されていなかった。今回の研究では、コンピューター・シミュレーションを用いて、64スライスCTCAの放射線曝露による生涯癌リスクを評価した。その結果、生涯癌リスクは20歳女性で143分の1、80歳男性で3,261分の1と幅があった。しかしECTCM (electrocardiographically controlled tube current modulation; 心臓周期の一区間で照射量を低減させる治療法)という方法を用いると、癌リスクがそれぞれ219分の1と5,017分の1に下がる。若年者や女性にとってはCTCAが必ずしも最適な選択肢とはいえない一方、高齢の患者にとっては利益に対してリスクはそれほど高くないことが明らかになった。

結論としては、胸痛があり、実際に冠動脈疾患が疑われるような場合には、医師の判断によってCTCAを利用してもよいが、単なる健診の目的で安易にCTCAを用いることは勧められないとEinstein氏は述べている。

(2007年7月17日 HealthDayNews)

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posted by ともみ at 18:44 | がん予防

2007年07月18日

日焼け止めクリームの効果

紫外線の季節になりました。
紫外線対策は大丈夫ですか。

日焼け止めクリームを塗っていれば
紫外線から肌を守れると思っていましたが
日焼け止めクリームによっては
紫外線を防ぐ効果がないものもあるようです。

年をとっても、美白肌でいたいし
皮膚がんにもなりたくない!

日焼け止めクリームの成分表示を確かめましょう。

ほとんどの日焼け止めはその役割を果たさない

大多数の日焼け止めが、有害な紫外線からの保護を約束するわけではないことが、新しい研究によって明らかにされた。今回の試験を実施した米国環境ワーキンググループ(EWG)のRichard Wiles氏によれば、日焼け止めの安全性および有効性に関する試験はこれが初めてだという。

 米国では毎年100万人が新たに皮膚癌(がん)と診断されており、その原因である紫外線(UV)のうち、特に問題となるのはUVAとUVBであるが、UVAについてはまだ最終的な測定方法が認定されていない。EWGでは、今回、780の有名ブランドのSPF(sun protection factor: 太陽光防護指数)15以上の日焼け止めの安全性と有効性を調べるために、400件の科学的研究の解析を行った。

 その結果、8分の1にはUVAを防ぐ効果がなく、安全かつ有効なものは16%のみであることが判明した。また、有害な化学物質の使用や、予防効果が24時間持続するという虚偽の表示のあることも指摘された。 Wiles氏は、日焼け止め用として17の化学物質が米食品医薬品局(FDA)の承認を受けているが、UVAを防ぐ効果があるのはそのうちの4つにすぎないと述べている。

 さらに、対象となった日焼け止めの84%は太陽光の有害作用を十分に予防できないという。最も優れているのは、UVAとUVBの両方をカットする広域スペクトルの有効性をもつ酸化亜鉛または酸化チタンを用いた製品で、これらは太陽光に曝されても簡単に分解することなく、長時間有効である。

 米国皮膚科アカデミー(AAD)に協力し日焼け止めの認可に関わっている皮膚科医のJames Spencer博士(米フロリダ州セントピーターズバーグ)は、日焼け止めは一般の人が考えるほど完全なものではないが、我々が持つ最良のツールだという。米ニューヨーク大学皮膚科臨床教授のDarrell Rigel博士は「消費者は表示に惑わされることなく、オキシベンゾン、アボベンゾン、パーソル1789、メキソリルなど、UVAとUVBの両方を遮断する化学物質について確認すべきだ」と述べるとともに、太陽光を浴びる場合は日焼け止めを2時間毎に塗り直すことを勧めている。(2007年 7月5日 HealthDay News)

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posted by ともみ at 21:25 | 皮膚がん